40度
750ml
ブレンデッド・ウイスキー「オールドバー」に使われるキーモルトの一つとして知られる、シングルモルト・ウイスキー「クラガンモア12年」。その蒸留所は、スコットランド北部を流れるスペイ川流域にあって、属に言う“スペイサイド・モルト”の一つです。
クラガンモア蒸留所
クラガンモアの創業者は、グレンリヴェット蒸留所の創業者ジョージ・スミスの私生子とも言われるジョン・スミスという人物。蒸留所をこの地に選んだのは、海と山に囲まれウイスキー造りに欠かせない泥炭や大麦にも恵まれた地域であった事が理由なのだとか。1869年の蒸留所創業以来、150年もの間ほぼ変わらぬ手法でこのウイスキーが製造されています。
やや細身の標準的な体裁を持つクラガンモアのボトル。しかしこのウイスキーを造る蒸留器(ポットスチル)は、上部が平らになった特殊な形状をしているそうで、それによってフルーティーさとウッディさが混ざる複雑な風味を生み出しているのだとか。
一般的にポットスチルの形状によって大きく変わるウイスキーの味、このクラガンモア12年はどの様な味わいを魅せてくれるのでしょうか?
若干スモーキーの残る味わい
それではLet'sテイスティング!グラスに注いだ時の香り立ちは、やや大人しめ。それでもフルーツを思わせる甘い香りが広がります。
口に含んでみると、フルーティーというよりはウッディさが先行。人によっては、フルーティーさが勝り上品なパウンドケーキの様な味わいだと言う意見も聞かれますが、個人的には微量のスモーキーさが前面に出てきます。香り・味ともにキーモルトを担うオールドパーを強く感じさせますが、その他にも「グレンゴイン12年」や「シングルトン・グレンオード12年」の姿も浮かんできます。
初心者の舌を鍛える一品
このボトルを初心者におススメだとする意見も聞かれますが、ジューシーなフルーツの風味広がる味わいを期待して飲むとガッカリするでしょう。ウイスキーに抵抗を持つ人がウイスキーを好きになる様な味では無く、ピートが成すスモーキーな味わいを初体験するには適しているかもしれません。
市場価格は3千円台中盤。あまりコレと言った特徴を持たず、値段の割には魅力に欠けるボトルだと思います。この値段を支払うならば、「グレンモーレンジ・オリジナル」の方がよほどフルーティーなテイストを楽しめるでしょう。
とは言え、ウイスキーは“知る事”も一つの嗜み方ですし、後学の為に1本試してみると良いと思います。
自己評価:170 point