マッカラン12年(The MACALLAN 12 Years Old)

40度 700ml

マッカラン12年が造られているのは、1824年創業のスコットランド北部スペイサイドに位置するマッカラン蒸留所。スペイ川流域から湧き出る湧水を利用し、長い時間をかけてろ過された質の高い水の使用をモットーにしています。

マッカランの樽は、シェリー酒を3年寝かせた樽を使用。蒸留釜は、スペイサイドの中で最も小さいとされていて、それによって濃縮された深い味わいになるのだとか。


このシェリーオークを使ったマッカランは、日本を含むアジア圏での発売が殆どで、本場欧州では「12年ファインオーク」が主力になっているのだそう。スコッチとは言え、サントリーが輸入販売を行っている商品。まるで自社製造の商品であるかの様なHPの紹介振りを見ると、日本人に向けたブランド商法が見え見えです。

そんな事もあってか、通な人の話では最近のマッカランはすっかり味が落ちたとか何とか…。“マッカラン”と言えば、昔は会社の重役などそれなりの地位の人間が嗜むものとして知られていたそうで、何かと敷居が高いイメージが先行しがちですが、意外と味は初心者向け。マッカラン12年は「初心者が先ず飲むべきもの」として、入門向けに紹介されている事も多い銘柄です。



甘くて軽い味わい

 

それではテイスティングしてみましょう!グラスに注ぐと、甘いが少し弱めな香り立ち。色の濃さは標準的です。


口に含んでみると、甘さが先行しながらもアルコールの刺激を感じます。柑橘系の風味を感じながらも、後に続く余韻は殆どなし。すごく飲みやすいですが、少しつまらない印象を受け、ボトルの半分を空ける頃には飽きが出てきました。確かに美味しいウイスキーの一つだと思いますが、やはり初心者向けという話には納得させられます。


相次ぐ値上げの真相は?

ジャパニーズウイスキーの原酒不足に便乗して、マッカランもこれまでに何度か値上げが実施されました。以前は3千円で買えた時代もあったそうですが、今では5千円以上が相場。


驚くのはサントリーHPでの定価。なんと現在の定価は7,000円!サントリーはこれまでに何度も値上げを実施しており、マッカラン12年に関しては、それまで5,000円だったものが20154月に6,000円、翌年には更に値上げして7,000円となり、いよいよ高級ウイスキーの域にまで達してしまいました。この間、空前の英ポンド安の時期を経ていたにも関わらず、この大幅な値上げには呆れてしまいます。 


実際には定価割れの現状

しかし、たかが12年物のスコッチウイスキーに7千円も出すのは現実的ではない、と多くの人が思っている為か、値上げから1年以上が経過した今でもネットの各店舗では5千円台の価格設定が目立ちます。同じ12年物でも、値上げしても更にプレミア価格が付いてくる「山崎12年」等と違うのは、やはり“味”に他ならないのだと思います。


マッカラン12年の完成度の低さを鑑みると、やはり所詮は初心者向け。ウイスキーを始めて間もない人が、いきなり7,000円もの冒険をするとは思えませんし、逆に玄人にとっては7,000円も出せば遥かに完成度の高い他の銘柄に目が移るのは言うまでもありませんね。


という訳で、マッカラン12年は決して定価では手を出さず、4千円台ならば買い、5千円台ならばサイフと相談、というのが妥当な考え方の様に思います。一度は飲んでおきたいマッカラン12年、決して高値では手を出さず、よく吟味して購入される事をおススメします。

自己評価:195 point