サントリー・ローヤル (SUNTORY ROYAL) Slim bottle

660ml(スリムボトル) 43
ジャパニーズ・ブレンデッド

サントリー創業60周年を記念して発売されたROYAL。かつては「12年」、そして上位の「プレミアム15年」がラインナップされていて、その高級感漂うボトルから贈答用としても需要が高く、長年愛され続けてきました。


大衆酒になったローヤル


初代マスターブレンダー鳥井氏の名作として名を馳せてきたローヤルですが、2008年のマイナーチェンジによって“ノン・エイジ”へと変わり、今では大衆向け格安ウイスキーとして、スーパーやディスカウントストアに並べられています。


これは昨今のウイスキーブームによる原酒不足の影響ではないにせよ、サントリーの“薄利多売”への動きが、既にこの頃から始まっていた事を物語っている気がします。

チョコレート風味の若いウイスキー



グラスに注いでみると、チョコレート風味の甘い香りが漂います。カタログの“華やかな香り”というよりは、少々鼻につく刺激臭を感じます。


口に含んでみると、雑味や変なクセも無く、ブレンデッド・ウイスキーにしては素直な味わいという印象を持ちます。ただ、若い原酒によるアルコールの刺激は少なからずあって、味覚が深い所まで届くのを阻害してしまいます。


ボトルを空けてから、初めの2回程度は美味しく感じられましたが、回を重ねるごとにその“若さ”が際立って来て、時には人工的な“まぜもの”が頭に浮かぶ事もあるくらいです。これがもし「12年」や「15年」ならば、と無念に思います。せっかく鳥井氏が作り上げた作品が、これでは台無しです。


価格は安いが買いでは無い



市場価格は¥2,800(スリムボトル)ほど。同じ価格帯であれば、迷わず「グレンリヴェット12年」を購入するでしょう。
既に発売を終えた「12年」および「15年」は、稀に古酒としてオークション等で見かけますが、年数経過によるコルクの劣化などもあって、手を出すには大きなリスクを伴いますから、ここはやはり“Aged”の復活を素直に願いたいものです。

自己評価:155 point